不動産投資の物件選びは利回りが重要!平均相場と計算方法

2019年9月30日 更新 不動産投資
不動産投資の物件選びは利回りが重要!平均相場と計算方法

不動産投資の利回りとは

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不動産投資の利回りは、投資した金額に対しての収益の割合を1年の平均で表したものです。計算式は、次の通りです。

利回り(%)= {(分配金-税金)/投資元本}÷運用年数×100

利回りを考える際は、ランニングコストや物件の状況、立地などを加味するべきですが、不動産会社などのサイトにある利回りは、表面的なものです。空室率などが利回りに大きく影響を及ぼし、かなり下がったというケースも少なくありません。

-表面利回りと実質利回り

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不動産投資の利回りを大きく分けると、「表面利回り」と「実質利回り」の2つです。それぞれの計算方法と特徴を解説しましょう。



・表面利回り

表面利回りは、(1年間の家賃収入÷物件の購入価格)×100という式で算出します。物件の価値を計算しやすいのが表面利回りのメリットですが、物件の収益性を厳密に評価するのには向いていません。



・実質利回り

賃貸物件の収益から諸経費を差し引いて求めるもので、計算式は「(1年間の家賃収入-1年間の維持管理経費)÷(物件の購入価格)×100」です。管理費や設備のメンテナンス費用なども考慮しているので、実態に即した物件評価ができます。

-利回りの最低ラインと平均相場

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2017年4月に一般社団法人日本不動産研究所が行った「第36回『不動産投資か調査』」によると、城南エリア(港区、品川区、目黒区、大田区)で、最寄り駅から徒歩約10分以内、築年数5年以内の期待利回りは4.5%でした。城東エリア(墨田区、江東区)の同レベルの物件で、期待利回りは4.8%です。これは、都内物件の購入価格が高額な傾向にあるからです。



都内の平均的な不動産投資の利回りは3.0~3.5%程度が目安と。しかし、これは利回りだけに注目してさまざまな条件を満たさない物件を購入すると、空室リスクが高くなるからです。安定した収入を望むなら、利回り3.0~3.5%を最低ラインと考えて入居者が好みそうな物件を選ぶようにしましょう。

-不動産投資の利回りの計算方法

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次に、具体的な物件を例に挙げて、表面利回りと実質利回りを計算してみましょう。事例として1,200万円で物件を購入、年間の家賃収入額として80万円入り、年間の必要経費として20万円出ているとします。



・表面利回り

1年間の家賃収入(80万円)÷物件の購入価格(1,200万円)×100=表面利回り(約6.6%)



・実質利回り

(1年間の家賃収入80万円- 1年間の維持管理経費20万円) ÷ (物件の購入価格1,200万円×100=実質利回り(5%)



同じ物件でも、表面利回り(6.6%)と実質利回り(5%)の差が生じているのがよくわかります。表面利回りだけを見て投資効率を見極めようとすると、計算違いということにもつながりかねません。表面利回りに関しては、あくまでも参考値として捉えてください。

利回りだけ重視しても不動産投資は失敗する

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投資用物件を購入する際に参考にするのが、不動産会社の提示する利回りの数値です。しかし、この計算のもとになっている年間家賃は、想定される家賃であり、周辺の相場より高く表示されているケースも少なくありません。また、空室リスクなども考慮されておらず、長期入居の物件の場合なども利回りがかさ上げされているケースがあります。

さらに、投資用物件の利回りが、築年数の経過に従いゆるやかに下落していくことも考慮しなければなりません。こうしたリスクを考慮せず、利回りの高さだけを重視していると、不動産投資に失敗する可能性も否定できないのです。利回りが低い物件でも、空室リスクが少なかったり、賃貸需要が高い物件なら、高いパフォーマンスを発揮したりすることがあります。高い利回りの物件に安易に飛びつかず、さまざまな条件を総合的に判断したうえで投資物件を選ぶことが大切です。

まとめ

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ここでは、不動産投資の際に重視される利回りについて、詳しく解説しました。利回りには、簡便な計算ですむ表面利回りと、実際のランニングコストなどを含めて計算する実質利回りの2種類があります。投資を検討する際は、周辺の平均利回りや利回りの最低ラインなどを条件に入れたうえで、需要のある物件を選ぶことが大切です。利回りだけにとらわれすぎず、立地や条件など総合的に勘案したうえで不動産投資を成功させましょう。