マイナス金利のメリット&デメリットをわかりやすく解説!

2018年12月6日 更新 金利・預金
マイナス金利のメリット&デメリットをわかりやすく解説!

そもそも、マイナス金利ってなに?

マイナス金利とは、文字通り銀行に預けられているお金に対して、マイナスの金利が課せられることをいいます。
通常、銀行にお金を預けると、一定の金利を受け取ることができます。しかし、マイナス金利になってしまうと、逆にお金を支払わなければならなくなります。

日本におけるマイナス金利

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日本でいうマイナス金利政策とは、市中の銀行が日銀に持つ当座預金に対して課される政策のこと。
とはいえ、当座預金すべてにおいてマイナス金利となるわけではなく、対象は一部の当座預金となります。日銀の金融政策により、当座預金の一部の金利が、0.1%からマイナス0.1%に引き下げられたことで、実行されました。

これは、問題となっているデフレからの脱却を行い物価の安定的な上昇を図ることが目的。日銀では、マイナス金利によって物価上昇率を2%に引き上げることを目的に、マイナス金利政策を実施しているのです。

マイナス金利という言葉に「自分が預けている銀行預金もマイナス金利が適用されるのではないか」と不安を覚えた方も多いかもしれません。しかし、個人預金はその対象とはならないのでご安心ください。

マイナス金利政策による市場へのメリット

メリットその① 景気回復や物価上場が期待できる

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マイナス金利政策は、市場に大きなメリットを与えてくれます。
まず、最も大きいのは市場に回るお金が増えるということです。日銀に預けていると、逆にお金を徴収されてしまうので金融機関は日銀にお金を預けるのではなく、積極的に融資や投資を実行して資金運用を行います。この結果、お金が市場を巡ることになるため景気回復や物価上昇が期待できるのです。

メリットその② 住宅ローンに関する金利低下が期待できる

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また、マイナス金利政策を実行することによって、市場の金利を低下させる要因になります。
企業に対しての融資や、個人向けの住宅ローンに関する金利もマイナス金利に合わせて金利が下がることが期待できます。これによって、企業の積極的な設備投資や、住宅の売り上げが上昇することで、景気回復を狙うことができるのです。

メリットその③ 円安効果が期待できる

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そして、最後に円安効果も期待できます。
自国の通貨安を誘導する効果が期待されるため、為替が円安に進んでいくことが期待できるのです。

一般的に日経平均株価は、円安が進むと上昇して円高に進むと下落に転じる傾向があります。円安を進めていくことで、日本国にあの株価上昇を狙うことができるでしょう。

さらに、円安による好影響を受けやすい企業の収益向上にも一役買ってくれます。

このように、マイナス金利をすることで市場におけるお金の流通を増やすことが狙いなのです。

マイナス金利政策による市場へのデメリット

日銀に預金が多いとデメリット!?

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市場へのメリットが大きいのですが、デメリットも多くあります。まず、日銀に預金が多い民間銀行や保険会社の収益悪化の要因になってしまいます。
さらに、市場金利が下がることで、銀行業や保険業にとっては収益が減るためマイナス要因となるでしょう。

中小企業にも影響が

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さらに、この影響は中小企業にも波及します。
収益が悪化することで、銀行側がリスクの高くなりがちな中小企業への融資縮小や金利引き上げなどを実施する恐れがあるのです。これによって事業が成り立たなくなり中小企業の破たんが引き起こされるリスクがあります。

その他懸念されるマイナス金利のデメリット

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また、マイナス金利によって必ずしも民間銀行が融資や投資運用を行うとは限りません。
場合によっては民間企業の設備投資による融資が増加せずに、銀行は余った資金を国債や海外の国債に回すことになるかもしれません。
日本が買う国債が減ってしまったり、海外国債の購入が増加したりすることによって円安効果が薄れてしまう恐れがあるでしょう。

マイナス金利は投資や借入の味方になってくれるかも!

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マイナス金利政策によって、さまざまなメリットやデメリットがあります。
しかし、住宅ローンの金利や企業の融資金利が下がる傾向になるので、一般的にはお金を借りる人のメリットが非常に大きいといえるでしょう。

マイナス金利の恩恵をうまく活用して、効果的な投資や借り入れをしましょう。