住宅ローン変動金利の推移をチェック!これから上がる?下がる?

2019年9月30日 更新 不動産投資
住宅ローン変動金利の推移をチェック!これから上がる?下がる?

住宅ローンの変動金利の推移2018

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まず、固定金利と変動金利の違いについておさらいします。変動金利は、金利が低いことがメリットです。しかし、将来金利が上がってしまうかもしれないという金利変動リスクがあることはデメリットといえるでしょう。



一方、固定金利はその名の通り申込時から最終返済まで金利が固定されるタイプです。市場の金利の上昇を心配する必要がないため、返済計画を立てやすいのがメリットになります。しかし、申し込み時点で変動金利よりも金利が高いことがデメリットです。



住宅ローンで変動金利を選択するか否かを判断するためには、最近の変動金利がどうなっているのか確認し、過去の推移を押さえながら、将来どう推移していくのかを見極める必要があります。



住宅ローンの変動金利は、一般的に企業を対象とした融資に使われる短期プライムレートが基準です。短期プライムレートは2009年1月以降、年1.475%から変更されておらず、住宅ローンはこれに1%を上乗せした金利を基準とするため、2.475%となっています。



ここで、2.475%という金利は、銀行や信用金庫などで見る金利より、かなり高いと感じた人もいるのではないでしょうか。しかし、これはあくまでも基準金利です。そのため、実際に借りるときは、それぞれの金融機関が決めた優遇金利が適用されて低くなっています。各金融機関で低いところでは、1%を切る変動金利を設定しているところも少なくありません。

-過去の変動金利の推移

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2018年より以前の変動金利はどのように推移してきたのでしょうか。住宅金融支援機構が発表した「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」によると、変動金利について、ここ30年間では平成3年(1991年)の8.5%がピークとなっています。この頃はまさにバブル経済の絶頂期で、景気の過熱を抑えるために金利をどんどん高くしていた頃です。



その後ほどなく、バブル経済の崩壊により金利は急激に下降。わずか4年後の平成7年(1995年)に3%を割り込んでいます。そして、不景気を打開するため、日本銀行はゼロ金利政策を実施し、これまでにない低金利時代に突入したのです。現在までに何度かゼロ金利を解除することはありました。しかし、20年ほど経った現在でもゼロ金利政策の方針は変わらず、それどころか、マイナス金利政策を始めたほどです。



そのため、変動金利についてもここ20年ほどは大きな変動がなく、特に平成21年(2009年)以降にいたっては、まったく変動はありません。

2019年以降の変動金利の推移を予測

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過去10年近くを見てみたとしても、変動金利はかなり低いということがわかりましたが、それでは今後、変動金利は低いまま推移していくのでしょうか。



変動金利に影響を与える短期プライムレートは、日銀の政策金利が基準となっています。そのため、日銀の金融政策決定会合で決められる方針に影響を受けるのです。しかし、2019年10月に実施予定の消費税率引き上げにより、景気悪化が懸念されているため、政策金利は上げないであろうというのが、一般的な見方になります。



ただ、マイナス金利が続いている現在は特殊な状況です。いわゆる「異次元の金融緩和政策」が続くと、中小金融機関の収益が悪化し、たくさんの企業が破綻することで、日本経済に悪影響を及ぼしかねません。また、消費税率が引き上げられた後、日本の株価が上昇すると、景気が回復したと判断して、政策金利を上げる可能性もあります。



そのため、この低金利の状態があと何十年も続くという考え方は、現実的ではないといえるでしょう。

まとめ

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今回は変動金利のこれまでの推移と、これからの予測について取り上げました。住宅ローンは借入額が大きいだけに、コンマ何%の金利の違いでも、返済額に大きな違いが出てきます。ただ、目先の数字だけにとらわれて変動金利か固定金利かを選択するのも考えものです。



単純に金利だけではなく、優遇金利の適用条件や変動金利の返済年数など、さまざまな借り入れ条件を確認し返済計画をきちんと立てたうえで住宅ローンを検討しましょう。