フラット35の金利はこれからどうなる?推移と予測から検証

2019年12月4日 更新 金利・預金
フラット35の金利はこれからどうなる?推移と予測から検証

フラット35の金利の推移と予測2019

フラット35の金利の推移と予測を見ていきましょう。

フラット35の金利の推移

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大まかな流れとして、フラット35の金利は1990年ごろから下落の一途をたどっています。約30年前の1991年は、バブル最盛期であり、金利も非常に高い数値を示しておりました。しかしバブル崩壊後、金利は徐々に下がっていきます。それに加えて、世界情勢の悪化、米国におけるサブプライムローン問題をはじめとする世界的な金融不安によって金利の低い状況が横ばいで続きました。

そして、2016年に日本はマイナス金利政策を導入したことによって、長期金利はさらに低下、2016年5月には1%を切る数値となりました。2017年10月に一度大きく金利が上がったように見えますが、これまで別
で表示されていた団体信用保険料込みの金利表示となったからです。民間住宅ローンも同じように団体信用保険料込みとなっているので、ある意味この時期に適正な金利表示になったといえるでしょう。2019年11月においても低い水準を維持してきました。

フラット35の今後の金利の予測

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2019年9月まで、フラット35は過去最低金利に到達していましたが、同年11月において上昇に転じました。一部の民間金融機関では、米中貿易協定の一部合意があったことも受けて金利が上昇に転じており、それに伴った上昇だと読み取ることができます。フラット35の団体信用保険料込みの金利は、2019年9月で1.110%だったのが、2019年11月では1.170%となっており0.06%アップ。ただ、今後も上昇の一途をたどるのかというとそうではありません。

日本は、景気が回復してきているという見方もあるものの、世界全体で見るとまだまだ不安定な状態が続いています。さらに、海外経済は減速の兆候が多く見受けられるようになっており、世界経済下振れの懸念が少なくありません。実際に、日銀でもそれを意識したうえで金融緩和策の維持に踏み切っています。

このような状況からも住宅ローン金利の明らかな上昇はまだ先になると見通されますが、悲観も楽観もせずニュートラルな視点で常に動向を見ておく必要があるでしょう。(※2019年11月調べ)

フラット35の金利はお得?民間ローンとの比較と選び方

フラット35と民間ローンとの比較を見ていきましょう。

フラット35と民間の住宅ローンの金利を比較

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フラット35と民間企業の住宅ローンサービスではさまざまな違いがあります。民間ローンに比べると、保証人の有無や借入審査の厳しさなど、比較的フラット35のほうが緩い傾向にあります。しかし、民間ローンにはない住宅の技術基準、金利優遇を受けるために一定の基準があるなど、建物のほうに制約がかかる場合があります。

そして、最も大きな違いが金利タイプです。民間ローンでは、変動金利型や固定期間選択型など、複数の金利タイプから選択できます。一方、フラット35では固定金利のサービスしかありません。

また、変動金利などでは、金利が変わるリスクがあるとはいえ、固定金利に比べて金利が安くなるメリットがあります。

その点フラット35にはそのような選択肢がありませんが、全期間固定金利となるので経済情勢が変わっても、金利上昇の心配がなく総返済額が変わらないということは大きなメリットといえるでしょう。

フラット35を取り扱う金融機関の比較方法

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フラット35は、さまざまな金融機関で取り扱いのある住宅ローンサービスです。どこの金融機関で申し込んだらいいのか迷ってしまいますよね。そんなときは次のような4つのポイントを押さえてみましょう。

・エリアや制限がないか
申し込みをしようとしている金融機関が、自分が住んでいるエリアでサービスを提供しているのかを確認しましょう。また、地域金融機関などの場合は申込者に制限をかけている場合があります。

・つなぎ融資の必要はないか
フラット35は、建物の引き渡し時に融資が実行されます。注文住宅の場合は、「着工金や中間金が必要になる」「自己資金が足りない」など、本融資が実行される前に決済資金が必要です。こうした本融資までの不足金額を補う融資は"つなぎ融資"と呼ばれます。本融資前の決済が必要な場合は、つなぎ融資の取り扱いがある金融機関を選ぶことが必要です。

・金利タイプの組み合わせは必要か
フラット35に加えて、金融機関独自の住宅ローンと組み合わせて借り入れることも可能です。すべての金融機関が対応できるわけではないので注意しましょう。

・金利を比較
金融機関によっては金利や手数料が異なるため、上記の条件と併せてどちらがより良いか比較する必要があります。

まとめ

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フラット35は、民間の変動金利と比べると多少金利が高い傾向です。しかし、全期間固定金利なので金利上昇などのリスクを回避することができます。現在は、金利が非常に低い状態でありますが、すぐに上昇するのではなく当分横ばいになるのではという予測も少なくありません。取扱金融機関によってサービスや金利、手数料などが異なるので、自分の希望に合う金融機関から申し込むようにしましょう。

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